ゆびきり



慶太くんは、意味わかんねって笑った。



あ、初めて「笑った」。



それは、人を小バカにしたような笑い方だったけど、紛れもなく「山下慶太」だった。



「じゃあお前は…。『お前』じゃまずいな。呼び捨てでいっか」



そう言ってまた、笑った。


今度は、中学生みたいな、無邪気な笑顔。



いつもとは違う、表情がくるくる変わる彼に、


あたしは興味を引かれっぱなしだった。





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