ゆびきり



1時間目の休み時間、俺は葉子に声をかけた。

もちろん朝の説教をするためだ。


振り向いた葉子は、少し申し訳なさそうな顔をしていた。



「お前、ふざけんなよ?」


俺は、いつもの笑顔を崩さないように注意して言った。


ここは廊下だし、誰に見聞きされてるかわかんねーしな。



葉子は反省しているらしく、慌てて、ごめんごめんと謝った。



「次やったら承知しねーからな」


俺はそれだけ言って教室に戻った。




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