ゆびきり
暗雲
それ以来、あたしはよく慶太くんと話すようになった。
5人でいる時も話すけど、5人でいると慶太くんは表の顔に戻っちゃうから、2人で話すことが自然と多くなっちゃうんだ。
慶太くんだってホントは、素の自分でいられる場所を、探してたんじゃないかな。
って、ちょっと自惚れてるあたしがいる。
「慶太くん、おはよう」
「はよ」
慶太くんは目を擦りながら、挨拶をした。
ただ問題は、慶太くんのあたしの扱い方がひどいってこと。
葵の時とテンション違いすぎるでしょ。
「眠いの?」
「んー。昨日ゲームやりすぎた」
優等生を演じてる慶太くんだけど、けっこうゲーム好きだってことを、最近知った。