ゆびきり
絶交と自分の気持ち
なんで?
あたし悪いことしたのかな?
あたし、嫌われちゃったの?
嫌だよ、葵。
あたし、葵しかいないんだよ。
あたしは泣きそうになりながら、走った。
「待って!」
あたしは屋上へと昇る階段で葵に追いつき、葵の右腕を掴んだ。
「離して!!」
葵はそう叫んで、あたしの手を振り払った。
「葉子ムカつくんだよ!!慶太の彼女はうちなのに、慶太は葉子といる時の方が楽しそうなんだもん!」
そう言った葵の声は少し、震えていた。
そんなの絶対違うよ。
2人は、あたしにとって憧れのカップルなんだよ。
あたしなんて手が届かないくらい。
「うちの方が慶太を好きなのに…葉子なんて大ッ嫌い!!」
そう言って葵は、今来た廊下を走って戻っていった。
すれ違った葵は、
泣いていた気がした。
あたしは放心状態で、葵を追いかけることもできず、その場に立ちつくしていた。