ゆびきり



それからも、休み時間ごとにあたしに話しかけてくれるのは、淳くんだけだった。


淳くんは一生懸命あたしを笑わせようと、いろんな話をしてくれた。



でも、葵や慶太くんといる時みたいに、笑えない。



ダメだ。


また慶太くんの顔が浮かんでる。


この気持ちは、捨てなきゃいけないのに。




昼休み。


あたしはとてもじゃないけど、教室で独りでご飯を食べることなんかできなくて、

お弁当を持って屋上へ上がった。


独りでお弁当を食べているうちに、また涙がこぼれてきた。




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