ゆびきり



そうして再び会うことができたあなたは、あたしの名前こそ覚えてはいなかったけど、


思い出してくれた。


そして、あのゆびきりを、なかったことにはしなかった。



それは、あたしを探していてくれた証拠だよね?


そう信じていいんだよね?




何も言えずに泣き続けるあたし。



慶ちゃんは、あたしの涙を拭いて、




そっと、





キスをした。






「遅くなって、ごめんな」










< 99 / 117 >

この作品をシェア

pagetop