先輩
1-3
私たち1年3組のみんなは、今日から、過ごす教室で、同じ小学校だった友達と楽しそうなフリをして話している。

きっと小学校では、そんな仲良くなかったんだろう。

ひとりで寂しいオーラみたいなのを出してる人もいた。

そこに小学校が一緒だった友達が私に、

『あの子かわいそう』

と言った。
私は、

「だね・・・。」

と思ってもいない返事をした。

私は、今まで、ひとりでいる子をかわいそうだと思ったことなんて一度もなかった。

勇気を出して話しに行けない自分が悪い。

と私は思うからだ。

私は、金魚のフンのように、だれかとずっと一緒にいるというのも苦手というかキライだ。

ひとりじゃなにもできない人の事が理解できない。

こうして冷静に教室の中を見回してみると、リーダーっぽい人の机に友達が寄ってきて話している。

リーダーが金魚で、
寄ってきている友達がフンだ。

その金魚と金魚のフンは、次の日も、その次の日も一緒に居た。

私は、わかった。

この学校は、自分に向いていないということが。

みんなが理解できない。
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