初恋愛 ~ブルーグレーの瞳~
未だ鉛の様に動かない身体をグイッと引き寄せられ、腰を抱かれた状態で歩かされていた。


きっと泥酔状態ってこういう感じなのだろう…

明るかった視界が暗くなり、建物の中に入ったのが分かった。

静まり返っていて、カイくんと私の足音だけが冷たく響いている…

俯いて覚束ない足取りで
支えられながら必死に歩いて行くと、カイくんが私を座らせ、耳元で

「いい子で待っててね。」

声で微笑んでいるのが分かったが、やはり何故か全身に鳥肌が立ち、此処に居ちゃいけない

逃げなきゃ…!

本能がそう告げる。

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