初恋愛 ~ブルーグレーの瞳~
窓にもたれ掛かりながら
そんな私達の様子を微笑ましく見つめている健にやっちゃんが、

「後はお願いしますね。」

少し口角を上げて言い、私を残し、出て行こうとした時、

「卒業おめでとう!」

健の背中に、何人かの重なった声が聞こえ、驚いて窓に視線を向けると、
ひまわり先輩、洸先輩、タクト先輩が窓から顔を覗かせていた。

三人は、庭の方の入口からゾロゾロと入って来て

「タクの言った通り、凛ちゃん此処にいたね。」

ひまわり先輩が嬉しそうに笑顔で言う横で、タクト先輩が健に何故かウインクをしていた。


健が横目で、少し睨むと
タクト先輩は、ヘヘッと笑って頭を掻いてみせた。

< 123 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop