初恋愛 ~ブルーグレーの瞳~
「卒業おめでとう。」
「有り難う。」

赤いワインの注がれたグラスを合わせる。

心地良いグラスの音が響き、今日は特別ということで、ほんの少しだけ注がれたワインに口を付けた。


初めて飲むワインは、
考えていたよりフルーティーで飲みやすく

「わぁ、甘くて美味しいね。」

ちょっと大人の仲間入りが出来た様な気がして嬉しくて、微笑んで言った。

キャンドルの炎の揺らめく光に、色気のある美しい健の顔が、こちらをジッと見つめているので、
思わずドキリとしてしまった。


きちんとセッティングされたテーブルには、フルコースとまではいかないけど、所狭しと豪華な料理が並んでいた。

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