初恋愛 ~ブルーグレーの瞳~
そっと手を取り、指と指を絡ませる。


絡ませた健の手に力が入り、同時に私の中に熱と痛みが流れ込んだ。

「ごめん、大丈夫?」

顔を歪める私に健が尋ねる。

「大丈夫。」

痛みはあったけど、何より嬉しかったから…

私は健の背中に回した手に力を込めた。


健の息遣い、回した手に感じる筋肉の動きと汗、
愛おしいさが溢れ出し

「た…けるっ…」

自然に洩れる愛する人の名を呼ぶ声、
「ごめん」と言いながらも激しくなる健。


何時しか何も考えられなくなり、遠退く意識の中
心も体も満たされていく幸せに包まれ、真っ白な世界に落ちていった…。

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