初恋愛 ～ブルーグレーの瞳～

第ニ章

ハニー

講習が休みの一週間、

二人だけの時は、お互い名前で呼び合う約束をした。


私達は、、毎日のように会って映画、動物園、ショッピング…
それはもう蜂蜜のような甘い時間だった。


講習がまた始まる前日、
先生の運転する白い車で、海を見に来ていた。

海が一望出来る高台の駐車場に止めた車を降りて
夏の陽射しを吸い込んで輝く波を見ながら、少し湿った潮風を全身で感じながら、

「せん…健、綺麗だね」

まだ呼び慣れない名前を口にする度に、照れ臭くて、手で乱れる髪を抑えながら笑ってごまかした。

「そうだな。」

健がそう言って伸びをして大きく深呼吸した時、
後ろから健を呼ぶ声に一緒に振り向いた。


「やっぱり健だ、久しぶり。こんなところで会うなんて、凄い偶然だな。」

健の知り合いらしき人が言うと

「佐々木、久しぶり。
本当、ビックリだよ。」

健は笑顔で話していた。