初恋愛 ~ブルーグレーの瞳~
自分のことしか考えていなかった。

カイくんは、私と同じコンプレックスを持っていて、妙に親近感が湧いて
それに誰も頼れる人がいないからと、頼られていい気になって、自己満足してたんだ。

それに…
私、今まで健の何を見ていたんだろう…

勝手に健が大人だからって思って甘えてたんだ。

気持ちは私と同じ、何も変わらないのに…


その様子を見てやっちゃんは

「行ってきな。」

私の肩をポンと叩いて、
ニッコリ微笑んで言ってくれた。

私は、『うん』と大きく頷くと同時に、『ごめんね。』と皆に言って走り出した。


それを、やっちゃんとタクが嬉しそうに見送る中、小さく舌打ちをして、去って行くカイの姿があった。

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