Joker

「……まさかね」

呟いた声は吐息とともに消える。


にしてもホワイトクリスマスなんて。

ジョーカーと名乗った、あの男からの贈り物か。


あいつならやりそうだと、少年はにやっと微笑む。

懐かしい遊び仲間を思い出すかのような表情。


もう一度外を一瞥し、少年は今度こそ暖房のスイッチを入れた。


そのすぐそばに、小さな箱。


こちらの世界のサンタクロースからの贈り物だ。


……だけど、小さすぎないか?

訝しく思いながら、箱をおおう包装紙をほどく。


包まれてたのは、やっぱり箱だ。

53枚のカードが入った。

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