星月夜



「原くん」


何か言おうとした。


「そうだ。原くんって呼ばないで」


なんて呼べばいいんだ。


「玖雅、そう呼んで」


甘い声で呟く。


背筋が震えた。


「何で、そう呼ばないといけないの!」


「だって、あなたのほうが年上でしょう?夜鶴さん?」


男の人に“夜鶴”なんて、あまりない。




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