星月夜





「他にも男がいるのに。上手くいってもいないのに」


どうしたんだろう?


「その男に囚われているのですか」


いつも意地悪な原くん。


バイトのときは、命令形。


でも、今は敬語・・・。


「囚われている、かぁ」


なるほどな。


「確かにそうかもね」


くすり、と笑った。


「でも、私がその人と一緒にいたいからだよ」


そう言い捨てて、店から出て行った。



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