星月夜





「彰!」


待ち合わせ場所に、彰がいた。


いつも私が待っているだけなのに。


奇跡、かな??


彰は、私のほうを向いた。


少しくせ毛な髪。


首にはマフラーが巻いてある。


あ。


私があげたやつだ。


そう思うと、自然と微笑む。


ちらり、と。


仕事帰りのお姉さんが、彰のことを見ている。


< 37 / 93 >

この作品をシェア

pagetop