星月夜



「なぜ、彼氏のこと好きになったのか聞かせてよ」


原くんの真剣な瞳。


本当はこんなこと誰にも言わないつもりでいた。


だから、凛にも言わなかった。


でも、原くんには言おう。


同情とかではなく。


何となくだ。


「笑わないで聞いてくれる?」


その言葉に頷いた。


「人間不信だった私に、凛が男の人を紹介してくれたの」


「凛って、佐々木先輩か」


人間不信について、触れなくて良かったと思う。


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