星月夜



「俺は、夜鶴の家族について知っている」


家族について・・・


俺には話したことなぞないのに。


「教えてあげましょうか。先輩」


くすりと嘲笑った。


「夜鶴には2年前両親を亡くしました」


両親を―


「原因は自分だと言っています」


呆然とする俺を見た。


「少しの独り言だと思ってください」


何か大切なことを話そうとしている。


黙って聞いた。

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