星月夜




「もし、一日遅れてなかったら―もし、隠さなかったら」


一日の楽園と引き換えに、永遠の孤独―



「約1年間、笑えなかったそうですよ」


でも、俺と会ったときは―


「あなたのおかげで、夜鶴は笑えたそうです」


「あなたしか、夜鶴を頼める人はいない」


原はこっちを力強く見た。


「好きではないなら、夜鶴に会わないでください」


「どこにいるんだよ」


原は知っていそうだ。


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