your side
十が転入してきてすぐに夏休みになった

秋からは専門学校とはいえ一応受験もある

だけどバイトは続けた

十も続けている

あれから同じ時間にあがる時は家まで送ってくれる

特に進展もなく

十は学校と違って

あたしには優しかった

笑顔も見れる

ただ…この関係がなんなのか…

聞けば壊れる気がして

聞けないでいた

その横顔に触れたいのに
その髪に触れたいのに
その綺麗な指に触れたい

のに…遠くて

「ミキ今度映画でも行かね?」

「へ?」

「デートデート」

「うんいいよ」

あたしは十の事

何も知らないままだった
< 16 / 45 >

この作品をシェア

pagetop