your side
十がバイト休みの日だった
十の事で頭いっぱいなあたしは

毎日が楽しかった

「あの…」

車椅子に乗った女の人がカフェに入ってきた

「いらっしゃいませ…すぐに席用意しますので…」

と椅子を動かしに行こうとした

「いえ…城崎十はいますか?」

「城崎…は今日休みです」
「あぁそうですか…」

「あの…」

「あっじゃあコーヒーでも飲んで行きます。席用意していただけますか?」

「はい少々おまち下さい」
ロングな髪がよく似合う
とっても綺麗な人だった

十の彼女?

あたしは怖かった

怖かったのは彼女の存在じゃなく
彼女には絶対に勝てないと思ったからだった
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