your side
今日はバイトのない日だったけど

十の終わる時間にカフェに行ってみた

「お疲れ様でした」

十がマフラーを顔半分まで巻いて出て来た

すっかり冬だなって
それを見て思った

「あれ?ミキ」

「お疲れ様…最近会えてなかったから…」

言ってて恥ずかしくなった
これは彼女が言う台詞だ

「おお!ミキぃオレに会いたかったのぉ」

十はまたニッコリ笑った

あたしは十のこのニッコリ顔が大好き

「ミキ時間いけんなら…映画いかね?前約束したじゃん」

「今から?」

あたし達は電車で映画館まで行く事にした

土曜日の夜の電車は混んでいた

十はあたしの腕を引っ張るとドアの端に連れていき十がスペースを作ってくれた
あたしは十の胸に埋もれた
「ねえ…十」

「ん?」

あたしは十の何?

と聞きたかった
< 22 / 45 >

この作品をシェア

pagetop