your side
あたしは飛び出した

走って走って走って

行きは近いと思った駅まで
すごく
遠く感じた

涙流しながら走るなんて

ドラマでしか見た事ないや…

駅まで走って

カナに電話した

何を話したか覚えてない

カナは彼氏と一緒だった車であたしを迎えに来てくれた
ヒロの車に乗ろうとしたら

元カレのユウも乗っていた

「ミキごめん。ユウも一緒に行くつーから」

「久しぶりミキ」

乗り込んだあたしはユウの肩で泣いた

その日はユウの家に泊まってユウと寝た

大好きな十の事を考えながら…


胸にはクロスのネックレスが寂しく冷たく張り付いていた

最悪のクリスマスだった

あたしは十とその日から口を聞く事も
バイトで会う事もなかった
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