アネモネの花

友達として

『若い頃はさ、』

「なに?今だって若いじゃん」

いつもと変わらない、紘人との電話。


唯一の変化は、話題がサッカーだけってことじゃなくなったってことくらい。



くすくす笑いながら言う私の言葉の後に、再び話し出すのは紘人。


『短いオフは近くの県とかに、旅行に行ってたんだよね、俺』

「あれ、スルー?…で、なに?その、謎宣言」

『ん…とりあえず聞けって』



茶化す私の言葉を、紘人はすかさず制止する。
< 20 / 185 >

この作品をシェア

pagetop