アネモネの花
『でさ!この前雑誌見てたら、そっちにサッカーの店あるじゃん?名前…は忘れたけど』


「あぁ!」


私は紘人の言葉にピーンとくる。


「うん。あそこならありそう!」



紘人が言ってる店はすぐに分かった。


紘人が、そのスパイクにこだわる理由は

“思い入れ”ではなく“自分の足に合うから”


…なんて、本当に単純でありきたりなことだったけど、少しでも紘人の力になれるなら、やっぱり嬉しいと思い、



「…じゃあ、店に置いてあるかどうか見て来てあげるよ」

と言った。
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