アネモネの花
「まぁ、喜んでくれたなら良かったよ」

私の言葉が耳に入ったのかは分からないまま、店員さんに促されて、靴を試着。


私はスパイクのことはよく分からないので、紘人が満足して購入するまでただ黙って待っていた。



買うことが既に決まっているのに、なかなか購入する気配なし。

それどころか、履いた靴で床をぐりぐりしたりしてる…


磨り減ったりしたらどうするんだろう。

やっぱり、購入…?




私がボーっとしていた視界の中で、店員さんと紘人がなにやら話しているのを見て、購入が決まったのが分かった。

ただ、紘人が購入まで時間がえらくかかっていたのは、サイズで悩んでいたみたいだった。
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