愛心を持つ君に

第1章


あたしは桜庭桃。
自分で言うのも
なんだけど
裕福な家庭ではなかった。

お父さんは小さい頃に死んだ。
病気って聞いている。
そしてお母さんは―…

―1994.夏―


今日から高校1年生になる。
いわゆる新入生。
桃の通う学校は××県で一番頭と良いとうわさされる公立K高だ。
桃は親友の実由と身支度を始める。
「ちょっとちょっと桃!アイライナー持ってない?」

「はあ?桃の残り少ないから貸さないよ?」

二人はK高のくせに見た目は派手なギャル。
実由にとっては中学生時代
荒れてほとんどの中学校に名前が売れていた。

「てかさー、試験管も馬鹿だよねぇ!カンニングしてもバレないじゃん!」









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