キミは私のモルモット
「いや、お袋が、買い物しすぎて大変だから、車寄こしてって言うんだ。駅まで迎えに行くことにした。ごめんな」

「ううん」

デートの途中に、お母さんの迎えって…

いや、それより私、篤のお母さんと初対面だ。

どうしよう。

しかし、どうしようもなく、車は駅へ。

篤が車を降り、階段下に走っていく。

私は助手席から降りて、その場で待った。

両手いっぱいに紙袋を下げた篤の後から、上品そうな女性がついてくる。

「あら、お友達と一緒だったの?」

女性は私に気付き、篤に問いかけた。

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