キミは私のモルモット
「ああ、同じサークルの坂井さん」

「坂井美雪です。はじめまして」

彼女として紹介されなかったことに小さな不満を抱くものの、お宅に招待されたわけでもなく、予想外のお母さんとの対面なんだからそんなものかとも思う。

篤は、荷物を後ろの座席に入れ、運転席に乗り込んだ。

お母さんは、当然のように助手席に。

私は、仕方なく後部座席に移った。

お母さんを家に降ろして、レストランへ向かうのだろうと思っていたが、車は篤の家とは違う方向へ走っている。

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