キミは私のモルモット
唇を離したタカ君が、不満そうに言う。

「目、閉じろよ」

思わず、パチパチと瞬きしてしまった。

「私、一夜限りとか無理って言ったでしょ。
それに、もう朝だし」

「いいよ、一夜限りじゃなくて。

そろそろ、そういうのにも飽きてきたとこだ。

あんたとなら、面倒なことも楽しそうだ」

「はぁ?」

「もう逃げられないぜ。

どうする?

無理やりってのは、趣味じゃねえ。

どっちにしろ合意は得たい。

…俺じゃ、嫌か?」

脅し口調だったくせに、最後の一言は、やけに甘い声で囁く。

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