扉を開けたら君に…
プロローグ
あっちぃ……。
早く帰りたいな。
そんな誰もが思うくだらないことを考えながら、俺は放課後の廊下を歩いていた。
もう人気は少なく、俺は多少歩みを速めていた。
でもこの本、返さないとあの委員長煩いんだよな。
たった一秒でも返却日が過ぎたらキャーキャー喚き出すんだよ。
……顔は可愛いのに。
勿体ない。
その時の俺はとても急いでいて、前方からの障害物に気づいていなかったんだ。
でもまさか……あんなものが飛んでくるとは思わないよ。
「ちょ?!危ないわっ!!」
へっ?
ガンッ
「いって……何?」
突然聞こえてきた女の子の声に驚いて顔を上げるも、視界は真っ黒で、かと思えば強い衝撃とともに廊下の天井が見えたり。
早い話、俺は誰かとぶつかったみたい。
なんなんだよ〜……腹痛い。
一番強い痛みのある腹部に目をやると、そこには一枚の黒い羽が乗っていた。
どういうことだと思い、それを手にとって掲げてみる。