君に届け
そして手を離してまた墓石を見た



「俺はまだ桜ちゃんのこと大好きだよ?」


伝わるわけがないのに言っておきたかった



「じゃまた今度来るからね?」


そう言って笑顔を見せて家に向かって歩いた



なぜかとても体が軽くなった気がした

まるで今まで背負っていた苦労を全て下ろしたように


でも突然蘭の顔が頭に浮かんだ


何かを訴えているようだった
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