成立事項!

言葉を失ったままの栖栗を不思議に思いながらも、瞳は続ける。


「あ‥そ、それに‥傘を忘れたから入れてくださいって、お願いしても‥大抵、職員用の傘とか、持ち主不明の置き傘とか薦められちゃうし‥」

「‥‥なるほど」

「う、ん‥多分、あの子たちは先輩から聞いたんだろうね‥じゃなくちゃ、知らない筈だもの‥」

「あの子たちみーんな、生徒会長のファンってわけね」

「そっ‥そう、だね、きっと‥‥」

「‥‥ふぅん」



──まぁモテますこと。



栖栗は心の中で英への文句─タラシ、発情犬等、主に事実とは無関係なことをぶつくさ呟きながら、窓の外を見る。






変わらず降り続く雨。



梅雨はいつ開けることやら。




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