もしもこの先-先生との約束-(仮)

「優ちゃん調子はどう?」

小さい時から私のことを
知っている先生は
私の事を“優ちゃん”と呼ぶ。


「前より見づらいです」


「あ、そう…」


「あの…私、
コンタクトしてみたいんですが」










「コンタクト…
あのね、優ちゃんの目に
新たな症状が見つかったの。」









「え…」











お母さんと私は
固まってしまった。











「角膜ってね
丸みがあるんだけど、
優ちゃんの場合、それがキレイに
平らになってきているの」


お母さんと私は黙って頷く。



「キレイな平らじゃなかったら
コンタクトも
上手くいくかもしれないけど
キレイすぎてダメなのよ」


「…ってことは」








「で、視力が落ちてきているのは
その平らになってきているせいで
光の屈折が上手くいってない」


先生は続けて


「だからコンタクトも
メガネも意味がない」

と言った。




「これから視力は
下がるばかりですか?」







「ある一定で落ち着くとは
思うけど…」


先生も困った顔をしている。


















私は頭の中が真っ白になった。


そして
きっとお母さんも。
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