H.T.
痛みで飛びかけている意識を、痛みで引き寄せるの繰り返し。

どれくらいの時がたったのだろう。

多分ほんの数分なのだが、ロードには長く感じて仕方なかった。

「よし、終わったぞ」

言いながら鏡をロードの顔の前に出した。

鼻から吹き出していた血は止まり、顔全体にできていたかすり傷も綺麗に治っている。

それに、若干肌が白っぽくなったように感じる。

「余分な細胞を取り除いて修復したから、前より美人になっただろ?」

「ちょっとまて!」

「あーすまん。美人じゃなくて、より可愛く子供染みた感じにだったな」

「ち……ちがうだろバカー」
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