H.T.
「や……やめろー」

ロードの悲鳴と同時に首筋に文字が浮き出てきた。

“愛滅修羅”

正面から見て顎のした右側から、胸の間にかけてこぶし大の大きさで4文字。

そのうち頭の1文字が赤く光だした。

それを確認してアークは更に追い討ちをかける。

「そんなカワイィ声で、叫んでも相手の欲望をひっかき回すだけだぞぉ」

「カワイィってゆうなぁぁぁぁ」
残り三文字が光る。

文字の周辺から黒いラインが浮かび上がって、脈をうち始める。

ただでさえクリクリしてる眼球がせりだして、余計大きく見える眼。焦点が定まっていない。

怒りに意識を支配されたようだ。
瞳のいろが、漆黒を思わせる黒に変化する。ぞっとするような殺気。

「ハハハ、流石俺のキャンディ期待を裏切らないね」

「あぁぁぁぁぁ」

鳴り響く絶叫、交差する笑い声。異様な空気が部屋を支配する。
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