H.T.
眼前に現れるアーク研究室の看板。顔面から綺麗に突っ込んだ。


派手な音と派手な悲鳴。立ち止まって息を飲む男たち。


「お、おい大丈夫なのかあれ?」
「顔から行ったぞ」
「鼻折れてないだろうな?」


男たちが口々に不安を声に出した。少し間を置いて少女は立ち上がった。


「大丈夫かロード?」


男の中の1人が少女に声をかけた。少女は振り向きもせず走り出す。


何ごともなかったかのように。鼻血を撒き散らしながら。
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