twin story
私達の通う桜見高校は音楽の専門学校で、将来有望な演奏家の卵の育成に励んでいる
それぞれの生徒が自分の専攻の楽器を決めていて
それぞれの先生に個別で教えてもらえるシステム
ちなみに私はヴァイオリン
幼いときに母に勧められてはじめたのがきっかけ
でも趣味でずっと弾いてきたからここへ入学するとは思ってもいなかった
弾きたいときに自由に弾ければそれでいいのに……
そんなことを考えながら1人ヴァイオリンを抱きしめ個室へと向かった
個室のドアを開けて中へ入ると先生がいた
先生は私が来たのに気付くと静かに微笑んだ
「こんにちは。朝霧さん。」
この先生は、この高校の中でも凄腕の先生で、世界的にも有名なヴァイオリニストだったらしい
……たしかに、若いのに他の先生は平河先生に対していつも敬語だ
そんな先生が私にヴァイオリンを教えたいと言ってきたときは驚いた
真琴も認める人だったから軽はずみでOKしたけど…
「じゃあ、今日は“愛の喜び”を弾いてみようか。」
「あ、はい。………それじゃあ……。」
~~~♪~~~―――…
いつも感じる先生の視線が何だか気にかかる
勘違いかもしれない……でも……なんだか怖いんだ……
いつも微笑んでいる先生の瞳も私には冷たく凍ってしまいそうに感じる
ヴァイオリンを弾く手や指が上手くまわらない
カタッ
ふいに先生は立ち上がった
その音に驚き演奏は止まってしまう
先生を見ると一瞬……ほんの一瞬、突き刺すような眼差しがみえた気がした
けれどすぐにその表情はいつもの微笑みに戻ってしまう
すると先生は1つの封筒を私に渡した
「あの、先生これは?」
「開けてみて。」
私は言われるがままにその封筒を開けた
すると中には数枚の楽譜が入っていた
……楽譜? 先生はこの楽譜をどうしたいの?
「先生……?」
先生は微笑んだまま荷物をまとめ始めた
私はどうしたらいいのか分からず、ただ立ちすくんでいた
「君のために作った曲なんだ。あげるよ。」
そう言い残して先生は個室から出て行った
……私のために?あの平河先生が…?
それぞれの生徒が自分の専攻の楽器を決めていて
それぞれの先生に個別で教えてもらえるシステム
ちなみに私はヴァイオリン
幼いときに母に勧められてはじめたのがきっかけ
でも趣味でずっと弾いてきたからここへ入学するとは思ってもいなかった
弾きたいときに自由に弾ければそれでいいのに……
そんなことを考えながら1人ヴァイオリンを抱きしめ個室へと向かった
個室のドアを開けて中へ入ると先生がいた
先生は私が来たのに気付くと静かに微笑んだ
「こんにちは。朝霧さん。」
この先生は、この高校の中でも凄腕の先生で、世界的にも有名なヴァイオリニストだったらしい
……たしかに、若いのに他の先生は平河先生に対していつも敬語だ
そんな先生が私にヴァイオリンを教えたいと言ってきたときは驚いた
真琴も認める人だったから軽はずみでOKしたけど…
「じゃあ、今日は“愛の喜び”を弾いてみようか。」
「あ、はい。………それじゃあ……。」
~~~♪~~~―――…
いつも感じる先生の視線が何だか気にかかる
勘違いかもしれない……でも……なんだか怖いんだ……
いつも微笑んでいる先生の瞳も私には冷たく凍ってしまいそうに感じる
ヴァイオリンを弾く手や指が上手くまわらない
カタッ
ふいに先生は立ち上がった
その音に驚き演奏は止まってしまう
先生を見ると一瞬……ほんの一瞬、突き刺すような眼差しがみえた気がした
けれどすぐにその表情はいつもの微笑みに戻ってしまう
すると先生は1つの封筒を私に渡した
「あの、先生これは?」
「開けてみて。」
私は言われるがままにその封筒を開けた
すると中には数枚の楽譜が入っていた
……楽譜? 先生はこの楽譜をどうしたいの?
「先生……?」
先生は微笑んだまま荷物をまとめ始めた
私はどうしたらいいのか分からず、ただ立ちすくんでいた
「君のために作った曲なんだ。あげるよ。」
そう言い残して先生は個室から出て行った
……私のために?あの平河先生が…?