twin story
信じられなかった

彼はとても優秀でルックスも悪くはない

けれど微笑んではいるものの、生徒の前では態度や口調が悪いと評判だった

きっと生徒や子供が嫌いなんだろうと皆は口々に言っていた

そんな平河先生が私のために曲を作ったなんて信じられない

なにかの冗談??……でも先生は私と真琴のは優しくしてくれる

だからこそ真琴は先生を認めているわけで……

「もう、わかんないよ……。」

頭が回転しなくなったところで私は先生について考えるのはやめた

……歌いたいなぁ……

なんとなくそう感じた

ゆっくりと窓に近づくと色々な個室から音が溢れていた

あ……この音、香ちゃんだ…

香ちゃんのクラリネットは好き

コロコロしてて何だか可愛いの

それでいてとても素直でまっすぐな音色

体を揺らしながらリズムをとってメロディーを口ずさんだ

色んな音で満たされるのが好き

でも、どんな音よりも私が求めてるのは……

―――――♪~~~

「ッ!!!」

ピアノの音が聴こえて窓から少し乗り出した

真琴が弾いてる!!それはすぐにわかった

荒々しいほどの音色なのにどこか繊細で美しい

華やかで聴いていてとても心地の良い音

それが……真琴の音

目を閉じれば真琴が弾いているのが想像できた

どうしてキミはいつも私の求める音楽をくれるんだろう

心が満たされるたび感じたのはキミへの愛情

キミがいれば私もそんな音楽を奏でる事が出来るような気がするの

そして気付いた

たとえ血は繋がっていなくたって私とキミは心が繋がってる…

だからキミの傍にいてもいいよね

ねぇ…………真琴……―――…
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