いつまでも・・・

「タクミ先輩
私からキス
したことあるんだよ」



「ウソつけ!
オレ、一回もされたことないぞ!」



マジでされたことなぞ!

タイキと勘違いしてるのか?



「タクミ先輩が
覚えてないだけ!」



「誰かと勘違いしてるんだろ!」



オレは

タイキじゃね~よ!!

ムカつく!


ユキを置いて教室に戻った。



何が(覚えてないだけ!)だ

オレをバカにしやがって



5限目の授業中
ユキからメールが



《タクミ先輩が
去年のクリスマス
雨の中待っててくれたでしょ

次の日、熱出して
寝込んでた時

私、タクミ先輩の家に
お菓子とジュース持って来たんだよ


そのとき私
タクミ先輩にキスしたもん

私からキスしたんだよ》



ウソだろ!?


お菓子とジュース持って来たの
ユキ、お前だったのか?


確かにあの時

誰かいたような

誰かにキスされたような

オレ、夢だとばかり思っていた。



「先生、気分悪くて吐きそう
帰っていいっすか?」



「ガマン出来ないのか?」



「無理です
はっ・・・吐きそう・・・
目まいが・・・」



隣でシンゴは笑っている

ウソだと気づいて



先生から許可をもらい
教室を出て中庭に行く。


ユキのクラスの外窓に
小石を投げる

3~4回目で
外窓に小石があたり


ユキが窓を開けた。



小声で



「ユキ、オレ早退した
ユキも早退しろ

気分悪いって言え
ここで待ってる!」



「バカ!」



窓を閉められた。


怒ってる

どうしよう・・・



小石を投げ続けるけど
窓を開けてくれない


オレはユキのクラスを
見上げたまま

立ち尽くしていた。



窓が開き
紙飛行機が飛ばされた


中庭の隅に落ち
紙飛行機を拾いに



何か書いてある!


紙飛行機を広げてみると



【キスしてあげない!】



イヤだ~~~



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