光ノ書~hikari~
「あ、劉生…」
『?…小春』
「何してたの?」
『イヤ、花がキレイだなぁって』
「劉生ってお花好きなのッ?」
『ん、あ、まぁ…』
「私もッ!!私も好きなのッ!」
『女の子らしいな…』
「え…そ、そんな事ないよ!」
『照れるなよ!』
「て、照れてなんかッ」
(お前が花好きな事くらい知ってたさ。
お前と出会ったのは、花屋だからな…。
花屋通ると、いっつも花を眺めてただろ?お前。
そんなお前に惚れたんだよ。俺は。
そしたら、たまたま入学した高校が同じだった。
クラスも同じで、席も近かったから、俺はすっげえ嬉しかった。
だから、思い切って話しかけたんだ。
そしたら…お前は、俺に優しく微笑んでくれたよな。
俺は、今でも覚えてるぜ。)