つきのくに
つきのくに。
満月がいっとう美しい夜に、現れると言う幻の国。
そこには、桜、梅、躑躅、水仙、牡丹に杜若と言った四季折々の美しい花々が咲き乱れ、幻想的に月は光を反射させ、濃い藍色の空とあいまってこの世のものとは思えないくらいに美しいと言われている。
そこでは、どうしても会いたい人に会え、話が出来ると言う。
月神様がおわせられると呼ばれている月ノ宮の人々の間で代々受け継がれてきた伝説だ。

更に、私の家には、つきのくにへ行くには、つきの森を鈴を鳴らしながら歩いたら、満月の真下にあると伝わっている。(なんともうそ臭い。)
鈴とは、皐月神社に伝わる宝物で、月神様由来の品だと言うものだ。私の名前は、出生が不浄だということで、月神様由来の品にあやかっているのだそう。

もしかしたら、御三家のほかの家には、また少し違った話が伝えられているかもしれない。













夢の中でつきのくにが出てきた。

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