つきのくに




勢いよく外へ飛び出し、神社特有の白い砂利の道を走る。
帽子とおそろいの花の刺繍がしてあるサンダル、その中に砂利が入ってきた。

走っているうちに取れるだろうと私は足を止めず、これもまた神社特有の石の長い長い階段に差し掛かる。

この下に下りたら隼人と海ちゃんが待っている。


緑、翠、みどり。

階段の両隅にはたくさんの種類の木が植えてあって、(いつ頃植えられたのかは分からないが、どれも立派だ)息苦しく感じられる。



「ごめんねっ。っ待った?」

息を切らせて言う。
「おせえよ。」

ちぇっ。急いだのに。

「隼人。今来たばっかりだろうが。」

何だ。そこまで急ぐことなかったんだ。

まあ、とにかく置いていかれなくて良かった。


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