つきのくに
その、月ノ宮の頂点に君臨するのは、旧家「月宮家」。
月神様の子孫であると言われていて、月ノ宮で唯一「月」と言う文字を苗字に入れることを許された一族だ。
つまり、隼人の家。つきみやはやと。
隼人のおじいさんが月宮家の現当主だから、長男の一人息子である隼人もいつかは月宮家の頂点に立つ。

そして、祭事や年中行事などを取り仕切り、月神様を祭る、皐月神社を守っている一族。
藤神家。
私錫子の家だ。ふじがみ　すずこ。
藤神家は代々女が家を継ぐから、いつかは私のところに順番が来るかもしれない。でも、来ないかもしれない。この辺はすごく複雑なのだ。

最後に、代々月宮家当主に仕えるための一族。
竹ノ本家。
もともとは、月宮の分家であったらしいが独立したと言われている。竹ノ本家と月宮家は竹ノ本家が独立してからも強い関係性を持ち続け、結婚を昔から何度もしていたらしい。だから、同じ家同士で婚姻を繰り返して血が濃くならないために、様々な工夫がしてあると言われている。
つまり、海ちゃんの家だ。たけのもと　うみ。
海ちゃんは、古いしきたりやら何やらで、大人になっても当主になる予定はなかったらしい。次の当主には、海ちゃんの従姉妹のしのぶちゃんがなる予定らしい。

平成の世の中でこんな「家」とか「一族」なんて変だと街の人達は言うけれど、この町はどんなに時がたとうとも、永遠にこのまま変わらないように思える。

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表紙・目次

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