つきのくに
「たぶんそれ。
謝っておいてくれってさ。」

「うん。」
高美ちゃん、私がぼうっとしてたのが悪いのに。気を揉ませちゃったかな。



メールしておかなきゃ。
そう思えば、麻美も心配してるかも。




携帯を取り出してメールをチェックする。

私の携帯は今時の中学生らしくない、デコレーションもストラップもついていな
い簡素なものだ。

恐ろしくて考えたくもないが、デコレーションなんてしたらおばあちゃんに携帯を解約されてしまう。



新着メールが四件来ていた。

一つは麻美、一つは高美ちゃんだった。

二人とも大丈夫か、起きたらメールをくれと言うものだったので、大丈夫な旨を
メールする。


もう一つはお母さん。

倒れたって聞いたけど無事なのかと言うものだ。

お母さんは、今、東京へ出張中なので、多分、倒れた時に家に連絡が行っていて
、連絡を受けた椿さんが知らせてくれたのだろう。


もう大丈夫だから心配しないでとメールを返す。


仕事中に心配を掛けてしまって申し訳がない。



最後のひとつは、見知らぬアドレスだった。
誰かのアドレス変更メールかと思い開いてみると







斎藤くんだった。
麻美に聞いても教えてくれなかったから他の子に聞いた、今日は大丈夫だったか
などと言うことが書いてある。



「・・・・・メール、斎藤くん。」


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