つきのくに

篝火





「ありがとう。」



「おう。じゃあ俺帰るわ。」



「ばいばい。」
そのとき、玄関の扉が開く音がした。
びっくりして振り向くと、そこにいたのはおばあちゃんだった。

「錫子、・・・・に隼人さん。」
びっくりしたようにおばあちゃんは私と隼人を見比べる。
「お帰りなさい、錫子。こんにちは隼人さん。錫子のことを送ってくださってありがとうございます。」
「おっおばあちゃん。
ただいま帰りました。」

「こんばんは。
じゃあ、錫、俺帰るから。」


「うっうん。ばいばい。」


「お大事にな。」

そういって隼人は帰っていってしまった。
隼人が階段に差し掛かり、見えなくなるまでおばあちゃんは、隼人のほうを見ていた。


「さあ、錫子。
家の中に入りましょう。学校で倒れたんですって。大丈夫なの?
今日はゆっくり休みなさい。」

あまり抑揚のない声で私に家に入るように促す。



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