つきのくに
「今日はお風呂に入らないほうがいいらしいわ。」
「入らないほうがいいの?
おばあちゃんどうしてそんなこと知ってるの?」
「あら、だって保健の先生の電話を受けたのは私だもの。
椿さんは今日ずっと私のお使いで街に行っていたのよ。」
と言うことは、おばあちゃんがお母さんに電話してくれていたんだ。
「それに、少し話もあるから、ご飯を食べたら私の部屋にいらっしゃい。」
おばあちゃんは、椿さんを呼んで、私のご飯の用意をするようにいって、部屋に行ってしまった。
「ご飯には二十分くらいかかるから、荷物を置いて着替えてきて下さいね。」
部屋に行って、家着に着替える。
携帯をチェックしたら、高美ちゃんからメールが、麻美から着信が来ていた。
着信の音を学校から消しているままにしていて気がつかなかった。
電話をしてきたくらいだから、何か急な用があったのかと思い電話をしてみる。
着信履歴から発信ボタンを押す。
プルルルルル、プルルルルル。
何回かの着信の後、麻美のソプラノの甘い声が聞こえてきた。