つきのくに
「・・・・・・・・覚悟か。」
それは、私のことを悪く言う人や、利用しようとする人が増えると言う事。
それは、一生月ノ宮に縛り付けられると言う事。
それは・・・・・・・
「絶対に、私と隼人は結ばれないと言う事。」
最初から、希望なんてこれっぽっちもなかったのけれど。
藤神を継いだら、分家筋の男の人と私の意志なんて関係なしに結婚をさせられる。
それは隼人だって同じだ。
月宮の分家筋か、竹ノ本の女の子。
うらやましい。
「いつまでも過去に縛られてないで・・・・・・か。」
私が隼人に焦がれるのは、海ちゃんとのことがあるからだと言っているのだろうか。
それとも、海ちゃんのことは早く忘れて、堂々としておけと言う意味なのだろうか。
そんなの無理だ。
だって、海ちゃんは私の中では死んでなんかいないのだから。
つきのくに。
本当にあるのならば、海ちゃんに会いたい。
会いたいよ。