つきのくに



「俺も、嫌いじゃない。
でも、たまに息苦しくなる。こんなの間違ってるんじゃないかって叫びだしたくなる。」



「もしも、海ちゃんが今も生きていたら私たち三人まだ仲がよかったのかな?」
あの頃のように。
三人でいないと息が出来ないくらい一緒にいたあの頃のように。


「それは、分からないな。
海は、俺たちとは違う。」

「どういうこと?」

「海は、御三家に生まれはしたけど、それを継ぐために育てられていない。
俺もお前も小さい頃から、家を継ぐようにしつけられてきたけれど、」

「そんなの関係ないじゃない。後継者とかそうじゃないとかそんなもので人間は離れて行ったりりしない。」

「竹ノ本家は本当だったら、次の後継者は海だったんだ。
でも、海は生まれつき体が弱かったから、後継者からはずされてその権利は海の両親の弟夫婦のところに産まれたしのぶに移ったんだ。」

知らなかった。
海ちゃんが、竹ノ本家の後を告がない理由は、古い決まりごとや慣習なんかのせいだって思ってた。

そういえば海ちゃんはあまり丈夫じゃなかったな。
私、海ちゃんの何を見ていたのだろう。


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